IAUメールマガジン 2005年12月5日 発行

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▼歴史に学ぶ経営の教訓
 第11回 ネーミングの重要性
▼税務戦略
 第10回 ゴルフ会員権の節税
▼全員経営者時代のやさしい管理会計講座
 第11回 利益計画と損益分岐点管理
▼健康生活
 第28回「脅威のゴマパワーはストレス解消にも大活躍」
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 歴史に学ぶ経営の教訓 第11回
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■ネーミングの重要性


ブランドにとって、ネーミングは決定的意味を持っている。
どのような名前でも有名になればそれがいいネーミングということになるという考え
方もあるが、持統朝における「天皇」という称号の採用のように、周到に工夫するこ
とは戦略の要である。

それまでは、「大王(おおきみ)」と呼んでいたのを「天皇」と呼ぶようにした。
これは画期的な情報編集戦略である。
大王なら人間のリーダーにすぎない。だれでもとってかわることができる。天皇は神
であり、天皇家以外ではなれないのである。

単にネーミングだけではない、さらに神格化するための理論武装としての日本書紀を
編纂し、体系的思想の理論構築をした。
古事記によって、複眼的見方で真実性を高め、万葉集によって、情緒的にも文化面で
も人々の心に定着させた。

万葉集は、日本書紀・古事記とは異なり、本当の万葉人の心を反映しており、政治と
の関連性は低いといわれてきたが、原万葉集というものがあり、それが意図的に政治
目的で編集されたものが、歴史に残ったという説がある。

とすれば、ここに三位一体となった情報編集戦略の妙が窺える。

アメリカ合衆国も、自国型の自由主義や民主主義を世界に普及させるためにストレー
トな方法だけでなく、ハリウッド映画を使った間接的な方法を利用している。
ハリウッド映画の中に隠された情報編集戦略は、アメリカ合衆国型の自由主義、民主
主義の宣伝なのである。それにより、アメリカ合衆国の武力行使は正当化され、正義
の軍隊のような印象が醸成される。

企業においてもその戦略は、ディズニーやサンリオに見られる。
ネーミングとキャラクター、それらを使った物語の創造がノウハウなのである。




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 税務戦略 第10回
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■ゴルフ会員権の節税


なくなりそうで、なかなかなくならないのが、ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算で
ある。
賃貸マンションの売却損失は給与所得等から引けないのに、ゴルフ会員権の譲渡損失
が引けるのはなぜか。
損益通算できないリストに明示されていないからである。

個人所有の競走馬や書画、古美術品、貴金属などは「通常の生活に不要な資産」と見
なされ、売却損失を他の所得と相殺できない。
ところがゴルフ場などの会員権は、個人所得課税の損益通算に「ぜいたく品」の規定
ができた1961年には投資対象でなかったため、今に至るまでぜいたく品とは見なされ
ていない。

所得税課税の強化を検討している財務省は、「会員権の実態は古美術品などと同じぜ
いたく品とみなせる」として、損益通算を認めない方向で検討している。
ただし、企業などの法人が所有するゴルフ会員権は売却損を計上することで法人所得
が減少する。

問題は、民事再生法等の適用で債権が切り捨てられたケース、営業譲渡により減額さ
れたケースも同様に損失として引けるかどうかである。

これは、結論からいうと引けない。あくまでも譲渡損失であり、売却して損が出ない
と節税にはならない。減額された会員権を売却した場合の損失は、減額前の取得原価
から売却価額、手数料等の経費を引いた金額となる。

まだプレーしたいが、節税もしたい場合はどうするか。
中小企業のオーナーであれば、自社に売却すればよい。

この場合、以下の点に注意を要する。

1.実際に譲渡する。できれば会員権業者を通す。
2.名義変更を行う。
3.法人が年会費を支払う。この年会費は交際費になる。
4.税務当局は、預託金証書、印鑑証明、年会費払込証書、関係書類の引渡し、年会費
を清算したかどうかまで細かくチェックする。

突然12月20日頃に損益通算を認めない改正案が登場したらどうするか。
年内に急いで譲渡する必要がある。
そのためには、年内の日付の個人の印鑑証明書あらかじめ用意しておいた方がよい。




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 全員経営者時代のやさしい管理会計講座 第11回
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■利益計画と損益分岐点管理


損益分岐点の考え方は、利益計画に使われるケースが多い。
利益計画表あるいは予測損益計算書を作成する場合の基本的様式は、
 ・売上高
 ・変動費
 ・限界利益
 ・固定費
 ・目標経常利益
というパターンである。
この表に、
 ・変動費率
 ・限界利益率
 ・損益分岐点
 ・損益分岐点比率
 ・安全余裕率
などの指標を加える。

当初の計画がそのまま採用されるとは限らない。むしろ、それをたたき台に条件の変
化に応じて数値がどのように変化するかを検討する方が一般的である。

このように、赤字や利益のでにくい状態を改善する施策を検討する際に損益分岐点の
考え方を応用する手法をCVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis)という。
(小林 元 著 経営分析より)

ここで、いくつかの具体的展開について解説する。


(1)目標利益の変化

当初の計画の目標利益が少ない場合、どのようにしたら利益を増加させることができ
るか。
第1に検討の対象になるのは、売上高である。つまり、新たに設定された利益を達成
するためにはどれだけの売上が必要か。あるいは当初予定した売上よりもどれだか増
やさなければならないかを計算する。

この場合の計算式は、以下のようになる。

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(新たな目標となる経常利益 + 当初計画の固定費) ÷ 当初計画の限界利益率

 = 必要最低売上高
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このようにして計算された新たな目標売上高を数量と価格の面から詳細に検討して達
成可能性について評価する。
達成可能であれば、担当部門の売上目標として設定する。新規事業責任者の目標管理
指標の一つとなる。


(2)変動費率の引き下げ

当初の計画による変動費の割合が高いとする。そこで、材料の調達や外注費などを見
直すことで、変動費のコストダウンが可能となった。この場合、当初計画に比べて損
益分岐点は下がるはずである。

どれくらい下がるかは以下のように計算する。

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(当初計画の固定費) ÷ (1-コストダウン後の変動費率)

 = 変動費率引き下げ後の損益分岐点
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この計算で算出された損益分岐点に基づいて新たな売上目標を設定すれば、より達成
が容易となる。


(3)固定費の削減

生産方式等における外的要因の改善が困難な場合、つまり材料や外注費の使用料と価
格をこれ以上下げることができないようなケースでは、内部要因の多い固定費を下げ
ることで損益分岐点を下げるしかない。

昨今のリストラは、売上は伸びない、変動費の削減は限界である、最後は内部の固定
コストの引き下げという状況を反映している。固定費の大部分は一般的には人件費で
ある。
そこで、固定費の引き下げというと人員を減らすことが中心になる。いわゆる首切り
である。固定費を削減すると損益分岐点は下がる。

その場合の計算式は以下のとおりである。

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(当初固定費-削減額) ÷ 当初の限界利益率 = 固定費削減後の損益分岐点
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(4)損益分岐点比率の引き下げ

当初の計画によると損益分岐点比率が高すぎて、事業の危険性が高い。そこで、損益
分岐点を引き下げるために売上を増加させなければならない。

この場合、売上を求める式は以下のようになる。

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当初計画の損益分岐点 ÷ 目標損益分岐点比率 = 必要売上高
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(5)コストダウンによる損益分岐点の引き下げ

損益分岐点を下げるには、売上を増加させることが第1に検討されるべきであるが、
困難なケースも多い。そこで、変動費と固定費の両方を引き下げることで、損益分岐
点を下げることが必要になる。

この場合の計算式は以下のようになる。

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目標損益分岐点 = 当初計画売上高 × 目標損益分岐点比率

達成に必要な固定費 = 目標損益分岐点 ×(1-当初変動費率+変動費引下率)
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以上の展開は、新規の事業を想定した利益計画を念頭において解説したが、既存の経
営構造の分析と改善目標の設定においても算式は同じである。

例えば、既存の或事業部を分析して、利益構造が悪く損益分岐点比率の10%の引き下
げが必要となった場合、売上の増加と変動費の引き下げが期待できないとすれば固定
費を下げる他はない。

この場合、いくら固定費を下げるかは以下のように計算される。

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改善目標損益分岐点 = 現状の売上高 × (現状の損益分岐点比率 - 10%)

達成に必要な固定費 = 改善目標損益分岐点 × (1 - 現状の変動費率)

引き下げるべき固定費の金額 = 現状の固定費 - 達成に必要な固定費
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 健 康 生 活  第28回
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■脅威のゴマパワーはストレス解消にも大活躍
[ストレス疲れ]


ストレスを抱える社会人は、心の不調がすぐに体調に出て、下痢や便秘を繰り返し、
肌荒れを招いたり目の下にクマを作ったりはしょっちゅうだ。

そんな人にぜひ食べてほしいのがゴマ。
タンパク質、ビタミンA、B群、Eそ含み、皮膚の新陳代謝に必要な成分をすべて摂取
することができるスグレモノだ。
これにビタミンCを加えれば、多少のストレスによる肌荒れなど気にならなくなる。

小さくて軽く、携帯にも都合がいいので、常にバッグにしのばせて、何にでもパッパ
とふりかけるという習慣をつけよう。