IAUメールマガジン 2005年11月1日 発行

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▼歴史に学ぶ経営の教訓
 第10回 ブランド創設戦略
▼税務政略
 第9回 住宅資金贈与プランニング
▼全員経営者時代のやさしい管理会計講座
 第10回 損益分岐点分析の展開
▼健康生活
 第27回「やっぱり体の基本はタンパク質。不足させずに太らずに」
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 歴史に学ぶ経営の教訓 第10回
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■ブランド創設戦略


ブランドの創設は評判を仕掛けることから始まる。その仕掛けのヒントが、松尾芭蕉
の以下の言葉にある。

「不易流行(ふえきりゅうこう)」

不易とは、どんなに時代が移ろうと永遠に変わらない本質をあらわし、流行は時代と
ともに変化することを表している。俳諧の世界では、新しさを求めていくと現在の状
況より一歩前進する。それが誠の変化流行であり風雅の極みであるという。
企業も常に新しさを求めて努力する必要がある。

天皇制というブランドも、永遠に変わらない本質と、時代の流れの中で臨機応変に対
応して変化した外観とが上手く調和している。それゆえに、中世の戦国時代、徳川の
幕藩時代、第二次大戦後の民主主義の時代を生き延びたといえる。

「洋服における流行はサイクルがきわめて短く、目先をいかに変えるかの勝負になり
 がちである。
 昨年いいデザインを出せたとしても、今年もそれに固執してしまうと、ほかのデザ
 イナーの革新的デザインを前に敗れ去ってしまう。
 しかし、その革新的デザインさえも、翌年に勝てる保証はない。
 (日本ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン編 戦略経営コンセプトブック)」

といわれるように、新しさの競争は、実に激しい。
継続性はいかにして形成されるか。ファッション業界においては、不易流行の実践は
至難の技である。ルイ・ヴィトンの神話に見られるように、物語性が必要である。




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 税務戦略 第9回
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■住宅資金贈与プランニング


子供に住宅購入資金を税法上有利に贈与する方法には大きく三つあり、これらのうち
の一つを選択すると他の方法は使えないので、慎重に選ぶ必要がある。

1. 550万円までを完全に非課税で贈与する方法
2. 1,500万円までを安い税金で贈与する方法
3. 3,500万円までをとりあえずの税金はなしで贈与する方法(相続時に精算する方法)

2番の1,500万円を贈与した場合、住宅資金以外の贈与が無いとすれば、贈与税は以下
のように計算される。

(1) 1,500万円 ÷ 5 = 300万円
(2)	300万円 - 110万円 = 190万円
(3)	190万円に対する税額:19万円
(4)	全体の税額:19万円 × 5 = 95万円

1,500万円の通常の贈与税は下記の計算で470万円となり、優遇税制を使うと375万円
安くなる。

(1) 1,500万円 - 110万円 = 1,390万円
(2)	全体の税額:1,390万円 × 50% - 225万円 = 470万円

3番の場合は、贈与した年度での贈与税は発生しないが、将来の相続の際に、
この金額を相続財産に加えることになる。

どの方法が最もメリットがあるかは、個々のケースによって異なる。しかも税金だけ
で判断することはできない。子供の将来性、親の資金繰り、今後の望ましい親子関係
なども加味しながら決定する必要がある。
ライフプランというトータルな観点からのタックスプランニングが求められる時代で
ある。

なお、この優遇税制は期限が設けられており、平成17年12月31日までの住宅取得資金
贈与で、かつ平成18年3月15日までに住宅を取得した場合に適用される。
今年も残りわずかである。活用される方は急ぐ必要がある。
実際の活用にあたっては、いくつかの細かい条件があるので、事前に会計事務所に相
談されたい。




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 全員経営者時代のやさしい管理会計講座 第10回
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■損益分岐点分析の展開


損益分岐点分析は、新規事業の意思決定に際して有用な情報与えるだけでなく、既存
事業の利益計画を立案するときの基本指標となる。

会社の業績が悪化して、経営体質を改善する時には、利益体質と財務体質の改善を行
う。利益体質改善の代表格が損益分岐点の引き下げである。

損益分岐点を引き下げるためには、以下のような対策が考えられる。


(1)限界利益率を高める。

つまり、販売価格を上げるか、販売原価を引き下げる。販売価格の引き上げは、付加
価値の高い製品の開発、競争相手のいない商品の仕入などが考えられる。販売原価の
引き下げは、機械化等による製造原価の引き下げ、仕入先との交渉による購入価格の
引き下げなどが考えられる。
物流の改善による荷造運賃の削減等、販売直接費の改善も重要である。


(2)固定費を下げる。

省エネや事務改善等で、水道光熱費や消耗品代を下げる。業績悪化に際して必ず登場
する常連である。工場の電気をこまめに消すなどの対策は、心理的効果は大きくても
会計的効果は低い。1,000円の電気料が999円になる程度である。
固定費の削減で最も効果のあるのは、人件費の削減である。つまり人員の合理化であ
る。会計的効果は顕著であるが、企業の社会的責任の観点から安易に実行することは
できない。
固定費の削減で、最近注目されているのが、固定費の3Kである。
すなわち、交通費、交際費、広告宣伝費である。




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 健 康 生 活  第27回
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■やっぱり体の基本はタンパク質。不足させずに太らずに。
[全身の疲れ]


人間の体はタンパク質からできている。だから疲れを知らない体づくりのためには、
タンパク質の摂取は必須となる。

ところがタンパク質と聞くと肉類を想像して、脂肪分、肥満……と連想する。
とはいえ、タンパク質を多く含む食品のなかには、たとえ動物性のものでも低カロリ
ーの食品があって、それが鶏肉だ。

ササミや、皮をとったものなら肥満をあまり気にすることはない。
体力回復のために、ときには積極的に食べたいものだ。