IAUメールマガジン 2005年10月3日 発行

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▼歴史に学ぶ経営の教訓
 第9回 ブランド戦略への応用
▼税務政略
 第8回 タックス・プランニングの時代
▼全員経営者時代のやさしい管理会計講座
 第9回 損益分岐点分析の概要
▼健康生活
 第26回「腰や背中の痛みをラクにする家庭での入浴法」
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 歴史に学ぶ経営の教訓 第9回
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■ブランド戦略への応用


特に宣伝しなくても、価格が高くても、顧客が喜んで積極的に購入してくれる商品を
開発したら、これほど企業にとって有難い話はない。ビジネスの世界ではそれをブラ
ンドという。シャネルやルイ・ヴィトン、プラダなどのブランドはその典型である。

どのようにしたらブランドを創造できるかを情報編集戦略の観点から検討してみよう
。最初は、品質の良さ、デザインの良さである。それが過大に評価されプレミアを生
む。

「市場での競争に打ち勝つには、クオリティの高さこそが最も重要な推進力であるこ
 とを二人は理解していた。理念を実践に移すべく、彼らは材料となる木材から電子
 部材、塗料に至まで、製造工程のすべてをアップグレードした。」
(ジェームズR.グレゴリー他著、企業ブランド強化の経営戦略より)

とは、ギブソン・ギター・コーポレーションのブランド復活の出発点である。

ブランド構築の出発点は、高いクオリティの継続である。それは、企業本来の経営努
力を源泉としている。ここでは、経営努力がありながらブランドをなかなか構築でき
ないケースについて考えてみる。ブランドになる土台はあるのに、自然発生的にブラ
ンドが形成されない場合、人為的に、まさに経営戦略としてこちらから仕掛けなけれ
ばならない。


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 税務戦略 第8回
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■タックス・プランニングの時代


自民党の圧勝によって税制改革が早まりそうである。小泉政権の背後には財務省の影
がちらつく。消費税率のアップを中心とする増税は間違いないであろう。

さらに、税務署内のネットワークの完成により事務が合理化され、税務調査部門の人
員が増えている。年間に一定以上の調査件数をこなす目標管理なので、小企業に対す
る調査は増加する。団塊の世代の退職者を嘱託で調査要員に活用するなどから、中小
企業に対する税務調査は確実に強化される。

各種節税商品の迅速な規制、グレーゾーンへの規制の強化、悪質な脱税の刑事告発の
強化など、節税対策の道はますます狭まる。

これからは、納税計画を早めに立案し、納税資金を日頃から準備する時代である。こ
れにともない、会計事務所の役割も、従来の申告間際の節税対策から未来の税務戦略
立案へとシフトする必要がある。そのためには、以下のサービススキームが不可欠で
ある。

●迅速な月次決算
●会社の実態情報の収集、分析
●継続的な経営管理アドバイス
●決算予測、税金予測の精度の向上
●納税資金リザーブの指導
●税務調査対策の日頃からの準備(常に税務調査を意識しての決算)

まさに、備えあれば憂いなしである。
絶対的な節税の方策は存在しないが、以下のような相対的な方策はある。利益、税金
、資金のタイミングの調整であり、まさにタックス・プランニングである。

●役員報酬の増減
●退職金の活用
●従業員決算賞与
●会社分割、グループ会社の管理
●減価償却
●個人と法人の関係
●売上げ、仕入れのカットオフ
●生命保険等の活用
●試験研究費減税など、各種優遇税制の活用


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 全員経営者時代のやさしい管理会計講座 第9回
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■損益分岐点分析の概要


(1)固変分解

利益管理を強化するためには、損益分岐点分析をおこなって、当社全体あるいは管理
者の責任担当部門の損益分岐点を把握する必要がある。

損益分岐点分析は、費用を変動費と固定費に分解するところから出発する。これを、
固変分解(こへんぶんかい)という。変動費は、売上高の増減に応じて増減する費用で
ある。固定費は、売上高の増減に関係なく発生する費用である。

例えば、商品売上原価は代表的な変動費である。70円で仕入れた商品を100円で販売
する場合、100円という売上の発生と同時に70円という売上原価が発生する。売上高
から変動費を引いて得られる利益を限界利益という。その比率が限界利益率である。

変動費は、通常、売上原価+販売直接費である。販売直接費は、販売手数料、荷造発
送費などである。広告宣伝費のように変動費と固定費の両方の性格を有する費用があ
る。実務においては、明らかな販売直接費のみを変動費として、それ以外は固定費と
するケースが多い。分析の基データ自体が制約された条件の中で入手されているので
、グレーな部分は割り切って分析をすすめざるを得ない。妥当な方法を継続すること
が重要である。

製造業の売上原価には、固定費が含まれているので、固変分解が厄介である。そこで
、製造業の決算書を基礎データとした固変分解例を示す。


[1].変動商品売上原価=商品売上原価


[2].変動製品売上原価 =
 (材料費+外注加工費+変動労務費+変動製造経費)÷総製造費用×製品売上原価


[3].販売直接費など=販売手数料(支払リベート)+荷造運賃など(状況に応じて判断)


[4].変動費 = [1]+[2]+[3]


5.固定費=
(営業外費用−営業外収益) + 販売費及び一般管理費+売上原価 − [4]


以上から、固定費、変動費が算出されると、以下の式で損益分岐点が求められる。


損益分岐点 = 固定費÷限界利益率 = (金額)


限界利益率 = 1 − 変動費 ÷ 売上高 = 限界利益 ÷ 売上高


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 健 康 生 活  第26回
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■腰や背中の痛みをラクにする家庭での入浴法
[肩凝り・頭痛・首の凝り・目の疲れ]

胃腸の働きが弱いという人のなかには、胃下垂の人ががかなりいる。これは腹筋が弱
いために起こることがあり、朝晩に短時間の腹式呼吸を試すことで改善できるので、
続けてみるといい。

意識を腹部に集中させて、下腹部に両手を重ねて置く。背すじを伸ばして肩の力を抜
き、口笛を吹くときのように口をとがらせて息を細く吐いていく。

吐き終わったら、吸う息は自然に任せるが、これが上手にできるようになったら、吐
ききったとき数秒間息を止めて呼気の勢いを増すようにすると、さらに効果的。