IAUメールマガジン 2004年4月1日 発行

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■評価の明確な基準とは何か?
■見栄えと安全対策と顧客満足
■財務省から税制メルマガが創刊されます
■春闘・賃金制度大幅見直し
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■評価の明確な基準とは何か?

アテネ五輪の女子マラソン代表選考で高橋尚子選手が代表から漏れてしまいました。
前回のシドニー五輪の金メダリストでもあり、国民栄誉賞も授与されただけでなく「
Qちゃん」の愛称で親しまれていた選手だけに、落選を残念がる人も多いでしょう。

マラソン選考は以前から毎回のように世間を騒がせています。その理由は選考基準が
不明瞭ということです。その点を踏まえて、今回は選考レースでの成績(タイム)を
最優先に選考したようです。

しかし、果たしてこのこと(選考レースでのタイム最優先)が選手全員に明確に伝わ
っていたでしょうか。過去の選考では多分に「実績」が重視されてきた経緯がありま
す。高橋選手や小出監督がそのことをどこまで理解していたでしょうか。

これは一般の社会にも適応する話です。皆さんの社員の賞与などの評価はどうしてい
るでしょうか。明確な評価基準はあるでしょうか。仮に基準はあったとしても、それ
を評価対象となる期間の前に説明しているでしょうか。

極端な話をしてしまえば、基準(ルール)は何でもいいのです。サッカーが手を使え
ないからと文句を言う選手はいません。そういうルールを全員が納得しているからで
す。しかし、これが試合の途中で変更したり、試合後に「手を使っても良かったのに
」と言われてもどうしようもありません。明確な基準つくりは勿論大事ですが、もっ
と大事なのは、現在どんなルールで進行しているかを明確にすることなのです。


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■見栄えと安全対策と顧客満足

先日、六本木ヒルズで児童が回転扉に挟まれて死亡するという痛ましい事故がありま
した。同所は昨年4月に華々しく開業し、都内の新名所として観光客も多く訪れてい
ます。しかし、その一方で32件もの同様の事故があったということです。

ここには問題点がいくつかあります。ひとつは同ビルを所有する不動産会社も回転扉
を製作したメーカーも嘘をついていたということです。不動産会社は開業以来の事故
件数を2件と発表したり、メーカー側はセンサーの作動範囲について嘘をついていま
した。

そうしたことは勿論のこと、この件で一番問題にしなければならないのが安全性です
。そもそも回転扉が大勢の公衆が集まる場所の出入り口として適しているかどうかと
いうことです。

以前CS(顧客満足)に力をいれているショッピングビルのオーナーに聞いた事があり
ます。「お客様の安全性を考えたら、自動扉も怖い。手で押す扉が一番安全なのです
」。そのビルでは、お客様の安全性を第一に自動扉から手動の扉に替えたそうです。

その後、幾つかのデパートを回ってみると、確かにデパートやショッピングセンター
では、手動の扉が多いのに気づきました。どこも見栄えよりお客様の安全性を重視し
ているのです。

六本木ヒルズではお客様より見栄えを重視してしまったのかもしれません。今、顧客
第一主義を謳わない企業はありません。この不動産会社も同様でしょう。しかし、本
当の顧客を見失っているがために、この事故はおきたのかもしれないのです。

お客様のことを考え、お客様の満足を考える。今回の事故をただ「可哀想だね」と思
うのではなく、そうしたことをもう一度考え直すキッカケにしてみてはいかがでしょ
う。


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■財務省から税制メルマガが創刊されます

総額表示など消費税が今日から改正されました。このように税制は毎年毎年大なり小
なり変更されています。私たち税理士でもその変更に対応するのは一苦労です。実際
に税金を払ってもらう経営者の方に少しでも理解をしてもらおうと、財務省でこの4
月1日から税制改正をテーマにしたメルマガを発行することになりました。

4月2日に発行されるメルマガは、本日より導入された総額表示に関する目的や内容を
説明しています。今後も最新の情報を積極的に取り上げ、税制改正への理解を高める
のが狙いのようです。

勿論、税制についてご質問があれば、当事務所に伺っていただければ結構なのですが
、皆さんご自身も少しでも税制に対して関心を持ち、理解を深めるためにも、参考に
されてはどうでしょうか。

メルマガの登録は財務省のホームページから登録できます。
財務省のホームページのアドレスは以下のとおりです。
http://www.mof.go.jp/


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■春闘・賃金制度大幅見直し
[D60]社会保険

IAU専門委員 社会保険労務士 東海林正昭

毎年、経営者側と労働者側は、社員の賃金の賃上げ、雇用状態などについて話し合い
ます。これが「春闘」です。昨年の春闘で日本最大の企業トヨタ自動車の労働組合が
ベースアップ(ベア)要求をしなく、ホンダは定期昇給(定昇)制度を廃止しました。通
常、毎年の昇給はベア+定昇で行われてきました。ベアとは物価や会社の業績などに
より賃金表カーブ全体の引き上げを言います。それに対して定昇とは年齢や勤続年数
などに応じて毎年決められた時期に昇給することを言います。このように「勝ち組の
トヨタでさえベアの要求をしない」ことの影響は大きく、他の勝ち組企業でも賃上げ
困難になり、雇用の維持のためには賃上げなし、むしろ経営者側の賃下げ要求の春闘
になり、成果主義が徹底され、今年も、さまざまな企業で同様に段階的にベア、定昇
がなくなり賃金・人事制度の改革が加速すると思われます。


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■ぬるめの湯にじっくりの入浴方法で慢性の痛みから解放される
[腰痛・背中の痛み]

筋肉疲労から起こる痛み、つまり腰痛や背中の痛みは、筋肉が硬直して血管が狭くな
って血流が滞ると起こる。腰などの部位に老廃物である乳酸などの疲労物質がたまっ
たのが原因である。

こんな慢性の痛みには、入浴方法の工夫で痛みが改善できる。

基本はぬるめの湯にじっくりつかること。38〜40度の湯に25〜30分ゆっくりつかれば
筋肉の緊張をほぐして血管を拡張させ、疲労物質を取り除くことになる。

長湯でのぼせそうになったら、頭の上にぬれタオルをのせておく。