IAUメールマガジン 2002年8月1日 発行

Topics =====================================================================
●経営語録
■銀行の事務処理ミスに対抗する
■ネット通販を開始するにあたっての準備と留意点
■仕出し弁当「玉子屋」の事例に学ぶ
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●経営語録
一村は、互いに助け合い、互いに救い合うの頼もしきこと、朋友の如くなるべし。

・作者
上杉鷹山 江戸時代中・後期の米沢藩主、改革者

・ビジネスへの応用
社内の各部、各課、各人は、真の友として互いに助け合うことで、会社全体の活力は
飛躍的に向上する。


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■銀行の事務処理ミスに対抗する
[D60]
銀行も、一般企業と同様に人が事務処理をしています。ですから、常にミスなく事務
処理を行うことは困難。銀行から送付される各種書類、そして銀行に提出する書類を
常にチェックし、記載されたデータの正誤を十分確認しておくことが必要です。たと
えば、融資関連では、署名の不備や関係書類の不備、担保取得・担保権抹消手続き漏
れなど、あきらかな銀行側のミスにもかかわらず、債務者に責任転嫁し、強行な要求
をされるケースも増加しています。
対策ですが、まず、後日の補完要求には応じない、ということがひとつ。銀行取引は
預金・融資にかかわらず、取引開始までは銀行側が主導します。つまり、取引開始時
には所要手続きはすべて整っている「はず」なのです。それなのに銀行が補完要求を
することは、銀行側にミスがあったということ。一方的な補完要求に応じる危険性を
認識して、簡単に応じないようにすることです。同様に『捨印』は、提出した書類の
訂正権限を銀行側に渡すことになるので避けほうが無難。また、印鑑証明書などの要
求にも、安易に応じないで、使用目的を確認し、可能な場合は「原本還付」を申し出
ることも考えておくべきです。
融資契約書も2通作成し、内容を吟味すべきです。借り主側に不利なことが記載され
ている可能性もあります。フェアな関係はそれだけチェックのコストがかさむことで
す。会計事務所がその機能を果たす時代でもありましょう。


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■ネット通販を開始するにあたっての準備と留意点
[F40}
 ネット通販をはじめるには、ホームページを公開する必要があります。個人の場合
とは違って、プロバイダ名ではなく、自社名のドメイン(インターネット上の住所)
での公開が原則。「○○○(企業名)co.jp」といった自社ドメインは、いわばイン
ターネット上の自社ビルであり信頼性の確立につながります。
それには、サーバが必要。コストや管理を考えると、レンタルサーバを利用するのが
いいでしょう。月額数千円からあります。ホームページの制作には、市販のソフトを
利用してもいいのですが、決済機能の付加などを考えると自社ですべてをまかなうの
は技術的にも困難。サーバのレンタル契約と同時に、通販ビジネスの機能をサービス
に組み込むことをおすすめします。月額1万円くらいから利用できます。
ここで、認識しておかなければならないのが、ネット上の店舗は、現実の店舗と同じ
だということ。問い合わせへの対応、商品の並べ方、見やすいデザイン、運営コスト
は現実の店舗と同様にかかります。もちろん、バナー広告など、集客のための宣伝活
動も積極的に行う必要があります。特にメールでのフォローはこまめに行う必要があ
ります。「ネット通販は、ネット以外で宣伝しろ」ともいわれています。
つまり、ホームページを公開しただけではなかなか浸透しないということ、業界の雑
誌等で宣伝したり、パブリシティでとりあげてもらうことが大切です。最初の口コミ
での広がりも影響が大きく、一定程度の広がるとネット上での普及が始まります。
今後の通販の主流は電話からネットになることは確実です。IAUの会計事務所では
ネット通販向けの安価なホームページを提供しています。「購買ネット」
IAU本部サイト : http://www.iau.gr.jp/


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■仕出し弁当「玉子屋」の事例に学ぶ
[A40]
経営方針:仕事に工夫と意欲をもたせるには「まかせる」こと。
楽しみながらの仕事で個人も会社も成長する。
一日3000食を売れば大手といわれる仕出し弁当業界で、平均4万5千食の弁当を出荷し
ている会社があります。それが「玉子屋」。年商は50億円以上。しかし、必ずしも順
風満帆で成長してきたわけではありません。15年以上前、食中毒事件を起こし、一週
間の営業停止処分を受けています。同社代表の菅原勇樹氏は、このときの苦い経験か
ら『最新の機械を導入し、毎日自社の弁当を食べて、材料にも吟味を重ねている』と
言っています。
もうひとつのノウハウ、配達システムを効率的に行っていることも大きな特長といえ
ます。遠くのエリアへ多めに弁当を持って配達にいき、近距離のエリアは後で回る。
その間、余った弁当は工場まで持ち帰らずにスタッフが現地でそれぞれ調整しあうと
いう方式をとり、弁当のロス率をほとんどなくしています。また、配達スタッフは配
達を終えた後で事務所に集まり、業務内容について意見交換を自主的に実行。実際の
業務が彼らにまかされているため、やらされている感覚がないことも見逃せません。
『これ以上規模は拡大せず、弁当の中身をより充実させていくこと考えている』と菅
原氏は言います。彼にとっての仕事は、あくまでも遊びの延長。権限委譲を実践し、
仕事そのものを楽しむ菅原氏の方針が、現在の隆盛を築いたことは間違いないでしょ
う。
なお、社是が『事業に失敗するコツ』いうのも菅原氏の経営姿勢をあらわしています
。