IAUメールマガジン 2005年5月9日 発行

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▼歴史に学ぶ経営の教訓
 第4回 持統天皇に学ぶ情報編集戦略その1
▼税務戦略
 第4回 IT投資減税活用上の注意点
▼全員経営者時代のやさしい管理会計講座
 第4回 予算管理
▼健康生活
 第21回「シャワーを使ったマッサージで、一日の疲れをときほぐす」
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 歴史に学ぶ経営の教訓 第4回
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■持統天皇に学ぶ情報編集戦略その1

●三十一文字に隠された情報戦略

春過ぎて(はるすぎて)
夏来るらし(なつきたるらし)
白栲の(しろたえの)
衣乾したり(ころもほしたり)
天の香具山(あめのかぐやま)

中学校か高等学校の教科書に出てくる持統天皇御製の有名な和歌である。
この歌の意味は、
「(この飛鳥の里にも)春が過ぎて日もさかんな夏が来たみたいだ。
なぜなら、聖なる天の香具山に夏支度のために白い衣が干されているから」
と言われてきた。

しかし、長い間当然のように言われてきたこの意味の解釈にはいくつかの問題点があ
る。まず、天の香具山というくらいであるから、当時の香具山は神の山であり、神域
聖域であり、一般の人は入れなかったはず。ましてや、庶民が衣など干してはいけな
い。ただ、この点については、「神祀りのための純白の衣」という説がある。

もう一つの問題点は、持統天皇ほどの人がこんな単純な意味の歌を詠むわけがないと
いう疑問である。持統天皇は、聡明で活動的で政略に優れ、冷静で決断力があり、機
知に富んだ人である。同時代の大唐帝国の則天武后に並び称せられるほどであるが、
ヒューマニズムの点では全く異なる。冷酷無慈悲な則天武后に対して、持統天皇の真
意は愛に満ちている。
これほどの人が、こんな単純な意味の歌を創作する訳がない。そこで、万葉集研究の
当代の第1人者である、中西進氏は次のように解釈した。この歌の意味する季節は初
夏でなく晩冬あるいは冬の真最中であろうと。天の香具山に降った雪を白い衣に見立
てたのであろうと。

私のイメージは、次のようなものである。
宮廷の女官達が長い冬に気持ちが鬱々としているときに持統天皇が突然、
「あら、もう夏が来たのかしら。」
と叫んだ。周りの人は、ミカド、何をおっしゃいます。今はまだ冬でようやく春の気
配がしている頃ですよ。それを夏だなんて。
そこで、持統天皇は、
「だって、ほら天の香具山さんを見て御覧なさい。夏の支度のために白い衣を干して
いらっしゃるわよ。」
香具山の麓に残る残雪があたかも白い衣を干しているように見えたのだ。
周りの人は、持統天皇のユーモアに感心するとともに、一瞬冬から夏に跳んだ不思議
な季節感を感じたことだろう。


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 税務戦略 第4回
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■IT投資減税活用上の注意点


節税対策というと、つい新しい制度が注目されますが、教育投資減税は平成17年4月1
日以降の開始事業年度よりの適用のため、現在行っている決算とは関係ありません。
現実に、目の前の決算での節税を考えれば、「IT投資促進税制」が注目されます。
その概要と注意点は以下のとおりです。

1.概要
 (1)自社利用のハードウエア、ソフトウエア等の購入に対して10%の税額控除と取得
   資産の50%の特別償却の選択適用を認める制度です。
 (2)資本金3億円超の法人の場合:ハードウエア年間取得合計600万円以上、ソフト
   ウエア年間取得合計600万円以上が対象です。
 (3)資本金3億円以下の法人及び個人事業者の場合:ハードウエア年間取得合計140
   万円以上、ソフトウエア年間取得合計70万円以上が対象です。

2.注意点
 (1)資本金3億円以下の会社等は、リース物件も対象になりますので、見直しが必要
   です。但し、リースの条件によっては対象にならない場合があります。
 (2)当期に控除できなかった場合でも1年間の繰越ができます。
 (3)税額控除か特別償却かの選択ですが、特別償却は、適用年度の税負担は減少し
   ますが、翌期以降は通常の減価償却よりも費用が少なくなりますので、税負担
   が増加します。税額控除は、翌期以降も通常の減価償却費の計上ができますの
   で、長期的安定的経営の場合は税額控除が有利です。

3.税務戦略
 最近はハードウエア、ソフトウエアとも単体の価格は安価になっています。
 そこで少額資産の規定との関係に注意し、どの組み合わせが最も有利かを判定し、
 適用するのが重要な税務戦略です。まず現在の制度を整理します。

 (1)取得価額10万円未満:全額損金可能(施行令133条)
 (2)取得価額20万円未満:年度合計を3年均等償却可能(施行令133の2)
 (3)取得価額30万円未満:中小企業者に限り全額損金可能(措置法67の8)

 税額控除を受けるためには、上記のいずれの適用も受けることができません。
 つまり、10万円未満のパッケージソフトを消耗品として損金処理した合計が年間で
 70万円以上であっても、税額控除の対象にはなりません。
 税額控除を受けるためには10万円未満であっても資産として計上し、ソフトウエア
 の場合60ヶ月の償却を行うことになります。
 それでも税額控除の方が有利というケースもあります。まさにタックスプランニン
 グの時代です。


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 全員経営者時代のやさしい管理会計講座 第4回
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■予算管理


予算管理は、人事評価とリンクしないと単なる事務遊びに終わってしまう。
年間単位、半年単位で予算を設定するケースが多いが、月次単位で予算設定を行うこ
とで、月次決算で予算と実績を比較して利益の達成状況を管理できる。

この場合も予算実績差異分析に終始するのではなく、期末までの残りの期間で目標利
益を達成するためにはどの勘定科目をどれくらい増減させるかを議論し決定する必要
がある。つまり、目標利益達成のために予算を修正し実行する「月次ベースの修正予
算管理」が肝要である。

さらに、予算管理は部門管理会計と結合し、人事評価とリンクする必要がある。予算
管理は予防的経営管理が重視されるこれからの経営に不可欠である。人事管理分野の
「目標管理年俸制」も、自分で予算を作成して自分の年俸を仮に決定し、予算の達成
に応じて確定させれば健全な経営目的にかなう。


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 健 康 生 活  第21回
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■シャワーを使ったマッサージで、一日の疲れをときほぐす
[全身の疲れ]


一日の疲れはゆっくり入浴するだけでもかなり回復するが、シャワーの水圧を使って
ツボ刺激すれば、さらに回復度アップ!

バスタブで体を温め、気持ちもラクになったところでシャワー療法をスタート。少し
熱めの湯を、ボディ全体にかけて少しずつずらしていくと、ツボの知識がなくても、
どこか気持ちのいい場所にあたるはず。

その箇所へ、少し離れた位置から湯を当てたり、水圧を変化させて一箇所につき2〜3
分ずつ当ててみる。

温熱効果も手伝って体は芯から温まり、ぐっすり眠れて疲労がとれる。